黒白時代編 其の弐拾壱
〜行き詰まった探険家〜

【1995年11月25日】
先史時代の堆積層に、忘れられた
一族の王国があるらしい。
それを立証するために、
ウツボカズラ考古学研究所の
若き研究員が現地に派遣され、
古代の配管に潜入し、調査を行った。

研究員は地の底で、大勢のくぐもった声が
詠唱するのを聞いたと報告した。
その後研究員の無線機の電波が途絶え、
他の研究員が救助に向かった。
しかし配管は土砂の重みで圧壊しており、
研究員の救出はあきらめられた。

救助班は、配管の向こうから、
くぐもった嘆きの声を聞いたと報告した。
所長のシラタキ博士は、それこそが
太古の一族が今も地底に生き続けている証だと
満足げに語るのであった。

前の絵 戻る 次の絵