The Great Hitoshicalic Carnival

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『高橋仁大会』は、我らが画友「高橋 仁」なる人物の描き出す、奇怪至極な作風のイラストを徹底的に紹介するために開催された、阿鼻叫喚謝肉祭的サイトです。

 当大会のご案内をいたしますのは、永年彼の放つ異形世界に魅入られた、なかじまよういちと申します。 画友のよしみで、過去10年以上にも渡る高橋 仁氏の貴重なイラストを借り受け、同氏の監修の元に画像を編集加工し、一連のウェブサイトを構築することを、いささか悪のりじみた使命感とともに担当します。
 たまだまさお氏の発案・命名によりスタートしたこの企画は、同氏の企画展示サイト『T-M-D Museum』にてひっそりと一般公開、2004年〜2011年にかけて、『nokett』の常設コンテンツとなり、2012年より『popukonia』に移転し、なかじまが運営・管理しております。


 さて、高橋 仁氏の作品の魅力の1つとして、ディテールに富んでいることがあげられますが、ディスプレーで鑑賞するにはやや難点があります。 そこで、多くの画像にイメージマップをはりめぐらし、注目すべき絵の細部を拡大して表示する仕掛けを盛り込みました。 高橋ワールド初心者への、おせっかいな道案内でもあります。 重箱の隅をつつくように、イラストのあちこちをポインタでクリックしてみて下さい。 高橋ワールドのさらなる深みを体験できます。
 本来多くの作品には、作家自身の手でタイトル・注釈説明等はついておりませんでした。 しかし、甘美な異形世界に惑溺するなかじまの心に湧き上がった勝手な妄想を、畏友へ捧ぐ頌詩──あるいは狂言回しの口上──として作品の傍らに添える暴挙をも、当大会の景気づけとして大目に見ていただきたく思います。



 なお、高橋 仁氏の2001年以降の作品は、作者自らが手掛けた公式ホームページ『おでかけ食堂』でお召し上がりになれます。 『高橋仁大会』だけではもの足りない、強靱な精神と胃袋をお持ちの方はぜひともご来店なさることをお薦めいたします!









 ::: 2008年1月追記 :::

 天下の奇人、高橋 仁氏の生きた足跡は、われわれありきたりの世界しか見ることの出来ない、受信波長領域の狭い者たちに、凡夫の想像力の限界をはるかに突破した異世界の存在を示すことを使命とするかのごとき、激しい生涯でありました。
 彼はさらにもっと多くの作品を描くつもりでしたし、われわれは新しい彼の作品を心待ちにしていました。しかし彼は、多くの描きかけの絵をそのままに、この世から姿を消してしまったのです。
 高橋 仁亡き今、当然のことながら代わりを果たせる者など世界に一人たりとも存在しません。もっともっと描きたがり、もっともっと生きたがっていた彼が、すべてを志半ばで途絶えさせてしまったことを悔やみ、惜しむ、やるせない気持ちを、私はこの先いつまでも持ち続けることでしょう。

 もし、創作に彼が注いだエネルギーの一部でも、私に備わっているのならば、たとえ彼の跡を継いで描きかけの作品を完成させることはできないにしても、彼に匹敵するひたむきさ、それに研ぎ澄ました想像力と画力を用い、違和感に満ちたこの世の閉塞を突破してみたいと、奥歯を噛み締めながら強く強く願うのです。










 ::: 2017年8月追記 :::

 高橋氏のご実家の契約プロバイダである某ケーブルTV会社が、個人向けのウェブページサービスを終了したことで、ネット上にひっそりと存在し続けてきた彼の個人サイト「おでかけ食堂」が見られなくなった。
いつかこんな時が来るだろうと思って、「おでかけ食堂」の全データを保存しておいて良かった。そして、popukonia.com内に掲載する許可を頂こうとご家族に連絡を取った。
ぼくの目の黒いうちは、彼の足跡をたどる道筋を保全しておこうと思う。

 改めて、畏友の作品を眺め、成したことを振り返ってみる。
片足をアウトサイダー・アートじみた異形世界の大地に置き、もう片足でネットパロディの喧騒地帯を踏みしめ、彼は初めて会った時から、ずっと境界線上を歩いていた人だったのだなあと知る。
ぼくは主に、本人を前にして、彼の描出する異形世界ばかりを賞賛し、支持してきたけれど、俗っぽく洗練されないタッチのパロディマンガ路線も、あのまま描き続けられた場合、きっとユニークな結実をいくつも見せてくれただろうことを、今更になって確信する。少年マンガみたいでなんか違うような、なおかつすっげー変な設定の作品が、少なくとも市販のコミック2,3冊分くらいの分量にはなっていたんだろうな 。今こそ謝りたい。異形絵描き呼ばわりばかりで、きみにはなんだか悪いことしたよ。当時のぼくは、ああいう路線、正直言ってあんまり好きな作風じゃなかったんだけど、読み返してみると今は不思議と面白いと思えるんだ。女の子描くのもどんどん上達しちゃっててさ。登場人物の掛け合いの間が妙に可笑しくて笑えて、しかもけっこう辛辣だよなー。自己憐憫のセンチメンタリズムからは遠く、かと言って他者への視点が嘲笑混じりでも共感を伴っているわけでもないんだ。常識的な登場人物ほど酷い目に遭うし、すっとぼけていて、どっか底が抜けてて、異様なところにつながっていて、なんとなく薄ら怖いんだよなー。一体この作者はどんな視点から世界を見ているんだろう、という困惑。それがきっと、境界線上からの眺めなんだろうな。まあ、思い返せば彼本人から受ける印象も、初対面時からずっとこんな感じだったっけな。この感じ、醸し出す奴って他にいないだろ。ましてマンガでこんな感じを描ける奴ってますますいないだろ、ぶっとぶよ。わけがわかんねーよ。もし9年間、彼が今もぼくらの追いつける場所にいてくれたならば、きっとこんな変な作品が沢山読めて、幸せもんだよ。

 おーい、きみは今どこを旅しているんだ? 続き読ませろよ。新作も書き溜めてるんだろ? 久しぶりに徹夜で馬鹿話にふけりながら、きみの描いた世界を味わわせてくれよ。…そっちの世界で出版契約しちゃったのか?じゃあ買う買う! …え?通貨の両替効かない?
じゃあデータでくれよ、いやいや、聞いたことないよそんなネット通貨。どうせAppleにもgoogleにも対応してないんだろ? だと思ったよ。ちぇっ、どーすりゃいいんだよ。
え? ぼくの方?…いや、その…じつはあんまり絵を描かなくなっちゃったんだよ。 なんと言おうか… 人はある時は絵描きで、ある時は絵描きじゃないらしいんだな、驚いたことに。 ほんとにどういうわけだかぼくも戸惑ってるんだが、今のぼくは、別に描かなくてもよくなっちゃったみたいなんだ。 変だろう? いったいなんでだろうな…。 すまない。 きみにはしつこく要求するくせに、今のぼくにはきみに見せられるものがないんだ…。
いやいや、そんな目で見るなよぉ。

 どうしちゃったんだろうな、お互いに…。
次に絵描きが戻ってきたら、その時にはまた会えるんじゃないかな、きっと。 そう考えれば、すごく楽しみだな。
ところでここどこよ。なんか腹減ったなあ。 きみもか。 じゃあ手っ取り早くそこの屋台でいい? いいよね?

(えーと、ネガティブそば2つー どっちも大盛でー。)

…って、改めて並んで座ってみたものの、あんましゃべることないな、意外に。
お互い状況の変化に乏しいからかなあ。 …まあ、食べるか。

(いただきまーす)

(ズッ、ズゾッ)

そんで、今のうちに約束しとくけど、きっとまたな。次会う時も元気でな。高橋仁よ。

(ズルル〜、ズズズズズ… ゾゾゾぞぞー つるぴょん)

(ぷはー)

あ、そっちの一味唐辛子取って。 さんきゅ。



          画友 なかじまよういち





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